特別講演1 11月2日(火)11:20~12:05 A+B会場
慶應ラグビーと演出家
福澤 克雄
(TBSテレビ 上席役員待遇エキスパート職)
特別講演2 11月2日(火)13:15~15:15 A+B会場
私の柔道哲学
井上 康生
(東海大学 体育学部武道学科教授)
特別講演3 11月3日(水・祝)12:55~13:25 A会場
月に行ってみたいと思いませんか?
向井 千秋
(東京理科大学特任副学長、宇宙飛行士、医師・医学博士)
NASAJAXA提供
理事長講演
日本胸部外科学会理事長所信表明
澤 芳樹
(日本胸部外科学会 理事長)
会長講演
未来のための今
志水 秀行
(慶應義塾大学医学部 外科学/心臓血管外科)
分野会長講演(呼吸器)
肺切除術後肺機能の新しい解釈 (JCOG0802研究を振り返って):
“残葉シフトと遺残腔の最小化”
淺村 尚生
(慶應義塾大学医学部 外科学/呼吸器外科)
分野会長講演(食道)
食道癌集学的治療の変遷から見た未来の食道外科医に求められる能力
北川 雄光
(慶應義塾大学医学部 外科学/一般・消化器外科)
特別企画
特別企画1 「未来のための今 領域を越えた胸部外科の合同手術」
特別企画2 「未来のための今 領域を越えて学ぶべき手術」
特別企画4 「未来のための今 COVID-19から学ぶ」
特別企画5 「未来のための今 胸部外科医育成のための新たなる挑戦」
特別企画6 「未来のための今 SHDのカテーテル治療 外科医に何が求められるか」
特別企画7 「未来のための今 大河の時代に入った心臓移植・肺移植」
特別企画8 「未来のための今 JATS / 胸部外科学の未来予想図
<4学会理事長対談>」
学会企画
学会企画2 「働き方改革へ向けての積極的な取り組み」
学会企画3 「いよいよ始まるサブスペシャルティ専門医制度の概要と問題点」
学会企画5 「JATS Research Project Award」
心臓分野
テクノアカデミー
(大血管)B型慢性解離に対する血管内治療
企画概要
INSTEAD trialの報告以降、B型慢性大動脈解離に対するTEVARを行う症例は激増している.エントリーを閉鎖するだけでは拡大した偽腔の閉塞が至らない症例に対しては、candy plug法やニッカーボッカー法などの様々な工夫がなされている.本セッションでは、これらのテクニックを駆使したTEVARによるcomplete exclusionを目指したB型慢性大動脈解離に対する最先端の治療を披瀝していただきたい.
(大血管)再手術を念頭に置いた大動脈初回手術の注意点
企画概要
大動脈手術は年々増加傾向にあるが、同時に再手術や広範囲手術に対する二期的手術も増加してきている.また、TEVAR後の再手術も徐々に増加してきている.初回手術に比べて再手術では様々な困難な点が生じることはよく知られており、それを予防する方策を講じることは重要である.初回手術時に次回手術を安全に行うための各施設での工夫を論じていただきたい.
(大血管)広範囲胸部大動脈(上行~全下行・胸腹部)に対する一期的あるいは二期的全置換
企画概要
定型的な大動脈手術は安全に施行できる時代となったが、上行大動脈から下行・胸腹部大動脈に至る広範囲な病変に対しては、まだまだ成績の改善が望まれる.各施設における一期的置換あるいは二期的置換とする戦略はもちろん、それぞれにおける術式の工夫とその成績、さらには克服すべき課題を論じていただきたい.
(大血管)急性大動脈解離における断端形成
企画概要
急性大動脈解離手術において重要な手術手技である断端形成は古くて新しい問題である.外科的接着剤による偽腔閉鎖やテフロンフェルトによる補強が標準的な方法として用いられているが、それ以外にも様々な方法が報告されてきている.手術は完遂できるものの、結果的に断端形成が破綻して遠隔期に禍根を残すことも少なくない.果たして、どの断端形成法が推奨されるのか、また偽腔閉塞率はどの程度なのかを報告していただきたい.
(大動脈弁・大動脈基部)大動脈基部感染に対する外科手術:ホモグラフトの必要性を含めた最近の知見
企画概要
重症感染性心内膜炎の大動脈弁輪部膿瘍や大動脈基部置換後のgraft感染など重篤な状況に対し、かつてaortic valve homograft基部置換の有用性が強調された。しかしながら、本邦ではhomograftの数が少なく入手困難なこともあり、一部の施設で実施されてきた。したがって、残りの施設では、その他の術式として弁輪膿瘍部パッチ閉鎖+AVR、通常のBentall手術、xenograft置換、Ross手術などが試みられてきた。本セッションにおいては、homograft基部置換の遠隔成績を中心に他の術式の妥当性も検証しながら、最近の知見を討論する。
(僧帽弁)MICSを標準術式とするための工夫
企画概要
僧帽弁手術における標準術式をMICSとしている術者が一堂に会してMICSを微に入り細に入り語るセッションです。演者は僧帽弁手術の7割以上をMICSとし通算数百例以上施行していることを条件に選定しました。ラーニングを乗り越えて来た円熟のArt&Scienceを学びましょう。
(先天性)Cone 手術における術式の工夫
企画概要
Ebstein病に対する三尖弁形成における近年の第一選択はCone手術であるが、解剖学的変異に富む本疾患において、術式の標準化は必ずしもなされていない。各施設でのCone手術における技術的なコツやこだわりについて、その成績も踏まえて議論していただきたい。
(先天性)総動脈幹症の外科治療
企画概要
心内修復手術は右室ー肺動脈導管を用いたRastelli手術が標準手技となるが、新生児期に一期的に行う場合と両側肺動脈絞扼術を先行させる場合で異なる注意点、総動脈幹弁逆流・狭窄や冠動脈起始異常に対する手術手技の工夫、大動脈離断を合併した場合の手術戦術等について議論を深めたい。
シンポジウム
(大血管)胸部下行・胸腹部大動脈病変におけるShaggy Aortaに対する手術戦略
企画概要
Shaggy Aortaは近年注目されている病態であり、人工血管置換術、ステントグラフト留置術のいずれの治療でも大きな合併症を来すことが知られている.脆弱な塞栓の飛散を予防しながら臓器保護を行いつつ、病変に対する治療をどのように安全に行うかの治療戦略が極めて重要である.Shaggy Aortaに対する最新の手術戦略を、各施設での工夫とその手術成績をもとに討議したい.
(大動脈弁・大動脈基部)若年者(60 歳未満)AVR の弁選択とその長期予後
企画概要
TAVI時代になりAVR時の弁選択は大きく変わろうとしている。AHA/ACCガイドライン2020では65歳以上ではリスクに依らずTAVI弁の選択もclass Iの推奨になっている。今後、若年者に対しても将来のTAVIやvalve in valveを考慮した患者のライフスパンを通じた総合的な治療戦略としての弁選択が求められるようになると思われる。そこで本シンポジウムではその総合戦略の基礎データとなる若年者(60歳未満)AVRの弁選択とその長期成績を示して今後の若年者AVRの方向性を論じて頂きたい。機械弁か生体弁かRoss手術かHomograftかTAVI弁か。
(僧帽弁)再僧帽弁形成術はどこまで可能か
企画概要
僧帽弁形成術は修復可能と判断される僧帽弁位感染性心内膜炎(IE)に対しては、推奨される外科治療とされている。しかしながら、比較的複雑な手技の組み合わせが必要であることや長期の耐久性への懸念からその施行率は依然として低い。本セッションではIEに対する形成術の手技的ポイント、特に補填のための自己心膜や人工腱索の使い方、弁輪膿瘍への対応などに焦点を当て、その耐久性や感染再発に関する長期成績を含めて論議を深めたい。
(冠動脈)低左心機能に対するCABGの長期成績
※登録システムでは、「Low EF 長期成績」をご選択ください。
企画概要
EF 35%未満を一般的に低心機能と定義するが、本邦および欧州の最新のガイドラインでは低心機能例に対する冠血行再建にはCABGが強く推奨されている。一方で、低心機能例に対するCABGでは、ONCABとOPCABの優劣はいまだ結論が出ていない。各施設のONCABとOPCAB選択基準、それらの長期成績について踏み込んで議論していただきたい。
(移植・VAD・HOCM)VAD 長期使用の未来 ~もう DT 時代が始まっている~
企画概要
我が国では重症心不全に対する植込型補助人工心臓(VAD)の適応は心臓移植適応患者のみであるが、近年、非適応患者の終身使用(Destination Therapy、DT)が治療選択になるよう準備が進められている。DTではVADの長期使用が余儀なくされるため、長期サポートを見据えたVADの装着手技と管理が重要課題である。長期使用に向けては、機器の選択、装着時の心臓弁への追加手技、右心不全への対応、ドライブライン感染対策、出血・塞栓症予防、DT導入後に予測される医学的・社会的問題の解決など課題が多い。この企画では、高齢化が進む我が国におけるVAD長期使用の現状とDTの将来展望を討論していただきたい。
(先天性)小児期・AYA 世代における大動脈弁手術
企画概要
小児期・AYA世代に手術介入を必要とする解剖学的大動脈弁は、先天性異形成and/or低形成に伴う弁尖異常と狭小弁輪を伴い、市販されている最小径機械弁でさえ通常どおりの弁置換手技で挿入できない場合がほとんどである。近年、こうした症例に対する弁形成と弁輪拡大をキーワードにした対応が進み、弁形成術(Ozaki法を含む)、Ross手術(Ross-Konno法を含む)、弁輪拡大を併用した弁置換(Konno法を含む)などの経験が蓄積されつつある。このシンポジウムでは、同群に対する最新の知見(早期・中期成績、再手術介入率とその時の問題点、経験に基づいた長期予後改善に向けた提案)を整理する。
ビデオシンポジウム
(僧帽弁)IE に対する僧帽弁形成術
企画概要
僧帽弁形成術は修復可能と判断される僧帽弁位感染性心内膜炎(IE)に対しては、推奨される外科治療とされている。しかしながら、比較的複雑な手技の組み合わせが必要であることや長期の耐久性への懸念からその施行率は依然として低い。本セッションではIEに対する形成術の手技的ポイント、特に補填のための自己心膜や人工腱索の使い方、弁輪膿瘍への対応などに焦点を当て、その耐久性や感染再発に関する長期成績を含めて論議を深めたい。
パネルディスカッション
(大血管)B型慢性(A型術後を含む)解離に対する手術戦略
企画概要
偽腔拡大・瘤化をきたした慢性B型解離に対するTEVARの適応は未だエビデンスが乏しいものの、一方で人工血管置換術の成績も極めて良好であるとは言い難い.このパネルディスカッションでは、TEVARと人工血管置換術の比較では無く、双方を組み合わせた治療戦略や治療対象とする病変部位の方針等について焦点を当てたい.各施設の数年以上経過した遠隔成績を含めた報告を期待する.
(僧帽弁)Atrial functional MRに対する治療戦略をHeart Teamで議論する
※登録システムでは「Functional atrial MR(仮)」をご選択ください。
企画概要
罹患期間の長い心房細動は高度な右房、左房の拡大を来たし、臨床的に重要な僧帽弁逆流や三尖弁逆流を生じることがある。この病態は脳梗塞や心不全を合併し予後不良であることが示され、この僧帽弁逆流はAtrial functional MRとしてそのメカニズムや治療が話題となっている。心不全を繰り返し僧帽弁形成術や置換術、メイズ手術などの外科治療が必要な症例もあるが、この疾患には高齢者も多いためMitraclipなどの低侵襲治療も考えられる。これらの複数の治療選択肢が存在する中で各施設におけるHeart Team内ではどのような議論を行い治療方針を決定しているかまたそれらの成績や問題点について討論したい。
(移植・VAD・HOCM)HOCM の外科治療
企画概要
HOCMは、肥大型心筋症に伴い左室流出路が閉塞する病態で、予後不良の疾患である。閉塞する部位や併存する僧帽弁閉鎖不全症などにより病態はバラエティーに富む。また、安静時と運動時では血行動態が劇的に異なる場合もある。そのため、外科的治療にはさまざまな工夫を要する。このセッションでは、HOCMに対する外科治療のコンセプト、方法、結果を示し、理解を深めたい。
(先天性)先天性心疾患領域の大動脈基部置換手術
※登録システムでは、「先天性/成人先天性心疾患領域の成人期の肺動脈弁をどうするか(外科を中心に)」をご選択ください。
企画概要
先天性心疾患の手術治療はその治療成績とともに長期成績も向上しました。しかしながらファロー四徴症における大動脈弁や大血管転位症の肺動脈弁においては、拡大や逆流が遠隔期で問題となってきました。このような体心室流出路の半月弁としての大動脈弁や肺動脈弁の遠隔予後においては、現在まで検討されることが多くありませんでした。今回、成人先天性心疾患における大動脈基部の治療に関して、手術適応、術式、治療成績を検討したいと考えております。
ワークショップ
(大血管)弓部病変に対するTEVARにおけるデバイス選択
※Debateからワークショップへ変更となりました。
企画概要
弓部病変に対するTEVARも治療の選択肢として定着した.各社から販売されているステントグラフトの種類も増加し、そのデバイスの特性からデバイスの選択には施設によって好みが分かれるのが現状である.各施設のデバイスへのこだわりをディベートしていただきたい.
(大血管)急性解離Hemiarchの脳保護
※Debateからワークショップへ変更となりました。
企画概要
全弓部置換における脳保護として本邦では順行性脳灌流が主流となっている.しかし、急性大動脈解離においては特にHemiarchと呼ばれることも多い上行大動脈置換だけであれば、比較的短時間で施行できることもあり、逆行性脳灌流法を選択する施設も少なくない.また欧米では、未だに単純超低体温法も使用されている.急性大動脈解離の上行置換における脳保護についてディベートしていただきたい.
(大動脈弁・大動脈基部)TAVI 時代の SAVR の新たな展開
企画概要
TAVIの急速な普及により、外科的大動脈弁置換術が減少している。手術の低侵襲化や人工弁の耐久性を高める努力をして対抗するのか、外科医がTAVIに積極的にかかわる方向を目指すのか、さまざまな考え方があると思う。率直な意見交換を行いたい。
(僧帽弁)自己心膜パッチを用いた僧帽弁形成術の遠隔治療の成績
企画概要
感染性心内膜炎や弁尖短縮症例などに対する僧帽弁手術において、自己心膜パッチを用いた形成術は有用な手法の一つであるが、遠隔期の石灰化など不明な点も多い。本セッションでは遠隔成績に基づいた討論を行い、適切な症例選択や手術手技について検討を行う。
(冠動脈)FFR は CABG をどうかえるか
企画概要
従来CABGにおいても、PCIにおいても、冠動脈造影所見(形態学的評価)から75%以上の狭窄に対して盲目的に血行再建がされた時代があった。しかし最近のガイドラインでは虚血が証明されない場合の血行再建はむしろ有害であるとされ、その虚血の証明が重要視されてきている。FFR(Fraction Flow Reserve:冠血流予備量比)は虚血の機能的評価法であり、その実施は国内外のガイドラインでClass Iの推奨度である。PCIではFFRが需要な指標となってきているが、CABGではどのように利用されているか不明である。ハートチームカンファランスにおいて循環器内科からのバイパス依頼がFFRによってどう変化したのか、外科医にとってFFRがどのようなインパクトがあるのか現場の声を聞きたい。
(移植・VAD・HOCM)低左心機能を伴う虚血性閉鎖不全症 ~外科手術 vs Mitraclip~
企画概要
虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する治療方針はいまだ完全には定まっていない。本邦でも低侵襲治療であるMitraClipが普及してきたが、欧米に比して制限された適応や逆流再発といった課題も指摘される。一方で外科治療については弁形成術・弁置換術・弁下手技など様々な方法が行われてきたが、未だ治療戦略は確立していない。本セッションでは、低左心機能を伴う虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する至適治療戦略について、遠隔成績を踏まえて討論していただきたい。
ビデオワークショップ
(大血管)TEVAR後の人工血管置換術
企画概要
TEVAR留置後に人工血管置換術を行わざるを得ない症例も増加傾向にある.TEVAR自体も複雑になってきており、また食道瘻等の合併症を併発していることもあり人工血管置換術の難易度も高くなってきている.各施設で苦労したTEVAR後の人工血管置換術をビデオで供覧していただき、手術の戦略や工夫を議論していただきたい.
(大動脈弁・大動脈基部)さまざまな大動脈弁輪縫縮術をマスターしよう
企画概要
大動脈弁形成術の遠隔成績向上のためには弁輪縫縮術は必須アイテムとなりつつあるが、さまざまなアプローチがあり、外科医にはそれぞれの長所・短所を理解して症例に応じて最適なものを使い分けることが求められる。本ビデオワークショップでは種々の弁輪縫縮術を供覧していただき、参加者全員が本領域のマスターになることを目指す。Internal ring/suture annuloplasty, external ring/suture annuloplasty, reimplantationにおける弁輪固定法の要諦について学ぼう。
(大血管)慢性 B 型解離のFrozen ET Pro vs Con
企画概要
慢性B型解離による大動脈瘤に対する外科治療の一つとして、正中切開からのアプローチでFrozen Elephant Trunkを用いた戦略がある.ほとんどの場合に下行近位に存在することが多いエントリーを閉鎖することで偽腔の縮小が得られることを期待する方法であるが、その反面、正常であることの多い上行弓部置換術を行うということに批判もある.この手術戦略について議論を戦わせていただきたい.
(大血管)悪性疾患に対するステントグラフトの是非 Pro vs Con
企画概要
余命の限られた末期悪性疾患の患者に対するTEVARの適応については、その治療効果や高額であるデバイスの使用についての医療経済的観点から是非が存在している.医療現場での現実を加味した議論を戦わせていただきたい.
(大血管)脳脊髄液(CSF)ドレナージの積極的使用 Pro vs Con
企画概要
胸腹部大動脈病変に対する治療における脳脊髄液(CSF)ドレナージは脊髄障害の標準的な予防策として定着しているが、その一方で、稀ではあるものの重篤な合併症を発生することも知られている.全例に使用すべきか、術前に留置すべきか、必要時に使用すべきか等、このCSFドレナージの使用法について議論していただきたい.
(大動脈弁・大動脈基部)透析患者の AVR:機械弁派 vs 生体弁派
企画概要
2020年改訂の弁膜症治療のガイドラインでは、大動脈弁位では60歳未満に対する機械弁、65歳以上に対する生体弁がclass IIa 推奨となっている。しかし、透析患者に対する人工弁の選択については、生体弁では石灰化による SVDが、機械弁では出血合併症が多いことが知られているが、最近の研究では両者の成績に差はなく、ガイドラインでは「どちらかの弁を推奨するということはしない」と記載されている。本セッションでは、 透析患者の大動脈弁位の人工弁選択についてディベートを行う。
(大動脈弁・大動脈基部)生体弁 AVR vs 尾崎法
企画概要
生体弁の耐久性向上,TAVR適応拡大による ViV法などにより,壮年期における大動脈人工弁の選択も変容してきた.本セッションでは壮年期における大動脈人工弁の選択について議論したい.
(僧帽弁)右小開胸僧帽弁手術:直視下 vs 完全鏡視下
企画概要
MICS手術は年々増加してきている。直視下に行う手術と内視鏡下操作が主体の手術が行われている。最近とりくみ始めた術者と豊富な症例経験のある術者にそれぞれの長所短所とと注意点について述べていただき。どちらの立場からを明確にした討論していただきたい。
(僧帽弁)僧帽弁疾患に合併した心房細動:Maze vs 左心耳閉鎖
企画概要
僧帽弁疾患に合併した心房細動に対する外科治療にはメイズ手術から左心耳閉鎖まで様々な治療戦略がある。メイズ手術では洞調律の復帰と左心耳切除による最大限の効果が期待される反面、手術時間や大動脈遮断時間の延長や術後ペースメーカ植込み率の増加などとともに左房高度拡大など洞調律復帰困難例が存在する。一方、左心耳閉鎖術だけでも心原性脳塞栓の予防効果が期待されるが、洞調律復帰に伴う効果は得られない。臨床では、患者の種々の条件に応じてメイズ手術と左心耳閉鎖術とを選択することになるが、本セッションでは、それぞれの術式を主に支持する立場に立ったディベートから両術式の特徴とともに適応を討論する。
(冠動脈)VSP 左室 vs 右室
企画概要
急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔に対する急性期外科治療の成績は今だ不良であり早期死亡率は30%を超している。主に経左室アプローチからのInfarct-Exclusion法やDaggett法、経右室アプローチからのダブルパッチ法などが主な術式となっている。今回は両アプローチ法からの術式について討論していただく。
(冠動脈)Onpump beating vs OPCAB
企画概要
OPCAB先進国の本邦において、onpump beating CABGの位置付けはどこにあるのか?Conventional CABG (pump + cardiac arrest) をルーチンとする外科医にとって、またOPCABをルーチンとする外科医にとってのOnpump beating CABGについて語り尽くしていただく。
(冠動脈)MIDCAB LITA採取:直視下 vs 鏡視下(ロボット)
企画概要
MIDCABが行われてから久しいが、PCIの普及によりLITA-LADの1枝病変がCABGに紹介されることが激減した。しかしここ数年でMICSの気運が再び広がり、CABGにおいてもLITA-LAD1枝バイパスのみならず、多枝バイパスもMICSの適応とする施設も増えつつある。その中であってもLITA-LADはkey bypassであり、ITAの採取には依然丁寧が操作が求められる。開胸レトラクター使用による直視下、完全胸視下採取そしてrobot使用の方法があるが、採取時間、疼痛、クオリティーなど議論の余地があり、debateしていただく。
(冠動脈)Redo CABG:Off vs On
企画概要
近年のカテーテル治療の進歩により、単独CABGに占める再CABG術の割合は約1-2%であり減少傾向にある。しかし、手術死亡率は約2-4%と言われており手術成績が向上した現在でも初回手術よりも有意に高率である。
再CABGにおける術式選択には癒着の程度、開存グラフトの状態、心機能などによりさまざまである。さらに大動脈の性状や呼吸機能などの全身状態によってもその選択は影響される。本セッションでは再CABGにおけるOff-pumpかOn-pumpかの選択について討論するとともに、より良い術式の選択と成績向上に向けて模索していきたいと考えている。
(先天性)末梢性肺動脈狭窄に対する介入︓ カテーテル治療 vs 外科手術
企画概要
末梢性肺動脈狭窄に対する治療についてカテーテル治療か外科手術を選択するか議論の分かれるところである。内科的および外科的立場よりその道の専門の先生方に各々の治療戦略を示していただき、活発な議論をお願いする。
(先天性)肺動脈弁狭窄の高度なファロー四徴症に対する右室流出路再建法transannular patch vs 右室流出路導管
企画概要
ファロー四徴症の遠隔成績向上のためにはPRを制御し、右室機能を温存することが重要であるとのコンセンサスが得られて来ました。本症に対して可及的に弁輪を温存して、自己肺動脈弁の成長と遠隔期弁機能に期待する術式が提唱されていますが、自己弁の形態と機能に限界がある高度狭窄例に対する治療戦略はいまだ確立されていません。PR制御と成長の点でtransannular patchと導管にはそれぞれ功罪があります。今回、より良いQOLを目指して両治療方針について議論をしていただきたい。
呼吸器分野
シンポジウム
急性および慢性膿胸に対する治療方針
企画概要
膿胸に対する治療は、急性や慢性、気瘻の有無など個々の患者の病態に応じた臨機応変な対応が求められ、その戦略は施設ごとの多様性に富むことが予想される。本シンポジウムでは、膿胸治療法の基本的な考え方から施設毎の工夫まで広く討議し、より有益な治療戦略の共有を目指したい。
小型肺癌に対する外科治療~JCOG0802の結果を踏まえて~
企画概要
肺野末梢小型非小細胞肺癌に対する肺葉切除と縮小切除(区域切除)の比較を行う第III 相試験であるJCOG0802の結果が2021年に公表される。その結果を踏まえて、小型肺癌に対する外科治療の戦略を今一度考えることとしたい。
ディベート
悪性胸膜中皮腫に対する外科治療 EPP vs P/D
企画概要
悪性胸膜中皮腫に対する外科治療として、胸膜肺全摘術(EPP)と胸膜切除/肺剝皮術(P/D)の適応は、患者の状態、外科医や各施設の経験により左右される現状がある。両術式を周術期合併症、術後生存率、QOLの点などで比較検討し、それぞれが持つ強みや課題を洗い出したい。
気管支断端被覆の適応と方法
企画概要
肺切除術後の気管支断端瘻は重篤な合併症であり、その予防のための気管支断端被覆は、各施設や外科医によって適応や実際の手法・手技が異なることが予想される。本セッションではどのような時にどのような方法で気管支断端被覆を行うか発表いただき、より有益な気管支断端被覆の戦略を検討したい。
区域切除後の局所再発に対する治療 サルベージ手術 vs 放射線治療 vs 薬物療法
企画概要
近年の小型肺癌の増加に伴い、区域切除の施行数増加が予想されるが、区域切除後の局所再発の報告も散見されるようになってきている。区域切除後局所再発に対する治療として、サルベージ手術、放射線治療、薬物療法の適切な適応について議論をしたい。
小型肺癌に対する治療 手術 vs 定位放射線治療(SBRT)
企画概要
小型肺癌に対する手術とSBRTの比較は、ランダム化試験の報告がなく、一定の見解が得られていない。標準治療としての外科治療とSBRTを比較し、治療成績や実際の適応の住み分けについて議論を行いたい。
テクノアカデミー
胸腔内巨大腫瘍摘出のノウハウ
企画概要
胸腔内巨大腫瘍の手術は、麻酔導入から実際の摘出まで、通常の腫瘍摘出とは異なる注意が求められる。巨大腫瘍摘出術の適応選択から、技術的なコツや意外な落とし穴まで、ビデオを交えつつ幅広く発表をいただきたい。
様々なPancoast腫瘍に対する外科治療
企画概要
Pancoast腫瘍に対する外科治療は、開胸法の選択から手順の工夫、胸郭の機能や形態を極力維持するための工夫まで、高度な技術と経験が要求される領域である。手術手技のビデオを活用しながら技術的なノウハウを討論し共有することを図る。
漏斗胸に対する手術手技
企画概要
漏斗胸の手術は呼吸器外科領域ではまだ普及しているとは言い難いが、潜在的な患者は多数存在することが予想され、その手術手技の実際を広く共有することが必要である。ビデオを用いながら漏斗胸手術の基本的な戦略や手技のポイントの整理を行いたい。
パネルディスカッション
胸腺上皮性腫瘍に対する手術アプローチ
企画概要
胸腺上皮性腫瘍に対する手術法の選択は、腫瘍の位置、周囲組織への浸潤や併存疾患の有無などによって左右される。近年の胸腔鏡技術の発展やロボット支援下手術の登場などで、手術手法はますます多様化している。各施設や外科医がどのような判断でどのような手術を行っているかを議論したい。
複雑気管支形成の適応、手術手技と成績
企画概要
気管支形成は肺全摘を回避するために経験が蓄積されている手技であるが、複雑気管支形成(右主気管支と下葉支または底区支を吻合、左主気管支と底区支を吻合、左主気管支と上区支を吻合など)の適応や実際の手技と成績の共有は未だ不十分であるため、症例提示を通じて議論をいただきたい。
若手呼吸器外科医の教育 ~どのように有能な呼吸器外科医を育てるか~
企画概要
近年の手術モダリティの多様化に伴い、若手外科医がどのような環境下でどのような手術を経験すべきかの検討が必要となっている。各施設での若手呼吸器外科医の教育方針や、手術モダリティごとの症例経験数などを提示いただき、若手教育の最善手を討議したい。
ワークショップ
サルベージ手術のノウハウ
企画概要
サルベージ手術は、適切な症例選択によって良好な予後を期待できる一方で、すでに前治療が加わった患者に対して手術を行うため、通常の手術とは異なる注意が要求され高難度の手術となることが多い。各種前治療後のサルベージ手術に対する手技の工夫や、周術期管理のノウハウについて議論をいただきたい。
多モダリティ治療時代における肺癌外科治療の役割
企画概要
近年の薬物療法の目覚ましい発展や放射線治療の進歩などによって、肺癌治療の選択肢が広がっている。従来切除不能であったものが切除の適応となったり、切除可能なものであっても非外科治療の適応が検討されたりするような状況がある。そのような多モダリティ治療時代における肺癌外科治療の役割を考えたい。
低侵襲手術(胸腔鏡およびロボット手術)の医療経済
企画概要
胸腔鏡技術やロボット手術の発展は、呼吸器外科手術に新たな可能性をもたらしているが、費用の観点からそのメリットが語られる機会は少ない。従来の手術手法と比較した、近年の低侵襲手術の医療経済的観点からの長所と短所を洗い出し、議論したい。
難治性気胸の治療戦略
企画概要
高度気腫性肺や高齢者における気胸、または再発性気胸などのような、難治性気胸に対する治療戦略は施設や外科医ごとの多様性があることが予想される。保存的治療と手術療法の適応選択、保存的治療の手法、手術手技や周術期管理の工夫、治療成績などを提示いただきたい。
肺癌切除後10年以上の長期予後
企画概要
近年の小型肺癌の増加に伴い、肺癌の切除後予後はより長期的に評価することが求められるようになりつつある。特に10年以上の長期予後の報告は未だ乏しいため、各施設での現状の成績を提示いただき、共有を図りたい。
食道分野
テクノアカデミー
食道外科専門医試験ビデオ審査のポイント
企画概要
日本食道学会食道外科専門医認定試験にビデオ審査が採用されてから今年で4回目の審査となった。多くの専門医申請者がビデオ審査採用に賛同し、本制度はすでに定着したが、その一方でビデオ審査によって不合格となる者も少なからずいる。本セッションでは食道外科専門医として求められる手術技術について、実際に審査を担当している食道癌手術エキスパートから手術ビデオと共にポイントを解説頂く。また、大血管からの重大出血への対処について、他分野のエキスパートからそのポイントを解説頂く。
パネルディスカッション
ロボット支援下食道癌手術の定型化と課題
企画概要
ロボット支援下食道切除術が保険承認されてから3年が経過し、ラーニングカーブを超えつつある施設も増えてきていると考えられる。本パネルディスカッションでは、ロボット支援下手術の定型化に向けてこれまでの胸腔鏡手術との相違点を明らかにし、技術的な課題と解決法を明らかにしたい。施設の成績報告だけでなく、たとえば反回神経麻痺軽減のための工夫など手技にこだわったディスカッションを期待したい。
ワークショップ
食道切除再建術後の長期QOLの評価と改善策
企画概要
食道癌に対する食道切除再建術は、過大な侵襲や特徴的な消化管再建術式などにより、術後長期のQuality of Life (QOL)の低下をきたす場合がある。また、術後再発率は低いとは言えず、患者は再発の不安を抱えながらの生活を余儀なくされている。再発の危険性が低くなったsurvivorにおいても食事摂取の障害が残存することもある。しかしながら、本邦の食道癌術後フォローアップ法の全国調査でも術後長期QOLを評価している施設は極めて少なく、評価法や問題点の改善策の議論は十分にはなされていない。本ワークショップでは、術後長期QOLの評価方法や心のケアを含む問題点の改善のための工夫について発表いただき、術後長期QOLについての全国的な問題意識を醸成したい。
ディベート
胃切除後食道癌再建のベストプラクティス~結腸vs. 空腸
企画概要
胃切除後あるいは胃切除を伴う食道亜全摘後の食道再建方法として、かつては結腸再建が主流であったが、近年では有茎空腸を第一選択とする施設が増えている。しかしながら、縫合不全やグラフト壊死を含む短期合併症や長期のQOLの観点から、どちらがより優れているかは意見が分かれるところである。本セッションでは結腸再建と空腸再建を数多く経験している施設からその成績をお示しいただき、その優劣について議論していただきたい。