会長挨拶

第73回日本胸部外科学会定期学術集会 分野会長 (食道)
徳島大学大学院医歯薬学研究部 胸部・内分泌・腫瘍外科学分野
丹黒 章

丹黒 章

第73回日本胸部外科学会定期学術集会は、碓氷章彦先生を統括会長として2020年10月28日(水)から31日(土)までの会期で、名古屋国際会議場において開催されます。従来の定期学術集会は会長がすべてを統括されていましたが、日本胸部外科学会の最大の事業である定期学術集会をより活性化し、会員の皆様により有効に活用していただくため、分野別会長制度が本年度より導入され、企画・プログラムに関する多くの権限を分野別会長に移譲されることになります。楽しみであるとともに大きな責任を感じております。

碓氷会長が定められた本定期学術集会テーマは「Future Prospectives」です。術前化学(放射線)治療の導入で、切除不能であったT4b食道癌もダウンステージングにより切除可能となり、治療成績は飛躍的に向上して参りました。しかし、低侵襲下が進んでいるかのように思えた食道癌に対する根治手術も、NCDの検証が示したものは、症例数の少ない施設での手術死亡率はいまだ高く、低侵襲であるべき胸腔鏡下手術の方が、手術時間は延長し、合併症は増えているという結果でした。ゲノム医療、縦郭鏡下手術やロボット手術の保険適応など、癌治療の体系が大きく変わろうとしています。分子標的治療や免疫チェックポイント阻害剤の導入による治療自体の変化への外科医の対応、合併症対策、難度が高く手術時間が長い食道癌根治手術に対しても求められている“働き方改革”とどう折り合いをつけるのか、10年後を見据えた「Future Prospectives」がまさに必要です。

2020年はオリンピックイヤーですが、前回の東京オリンピックの翌年1965年10月に第18回日本胸部外科学会定期学術集会が、教室の初代教授である高橋喜久雄教授により、徳島で開催されました。そして、この会期中に、日本食道学会の前身である第1回食道疾患研究会が徳島において産声をあげました。日本食道学会はその後、外科だけでなく基礎、病理、内科、放射線科などの診療科横断的な食道という臓器に関する総合的な学会へと発展してきましたが、本年が日本食道学会発足55周年であり、その母体は日本胸部外科学会であったことを鑑み、東京オリンピックを挟んで、6月に徳島で開催する第74回日本食道学会学術集会と連動した企画を考えております。

名古屋開催の本定期学術集会に合わせ、中部・東海地方を中心に強力なプログラム委員会を編成いたしました。プログラム委員の先生方と相談しながら有意義な企画を準備いたしますので、多くの先生方の参加をお願いいたします。

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